「熱いもので歯がしみる」のはむし歯?むし歯じゃない?考えられる3つの原因
皆さん、こんにちは。
品川区 不動駅前の「不動前さくら歯科クリニック」です。
「冷たい食べものや飲みものが歯にしみる……」というのは、よく聞く症状でしょう。
冷たい飲食物が歯にしみる原因は、「むし歯」や「知覚過敏」などが考えられます。
けれども、「熱いものが歯にしみる」という方もいらっしゃいます。
「熱いものがしみる場合も、むし歯や知覚過敏なの?」
「冷たいものがしみるわけじゃやないから、むし歯じゃない?」
と疑問に思われる方に、「熱いもので歯がしみる」原因についてご説明します。
四方田 拓 院長
●2004年 日本歯科大学歯学部入学●2010年 日本歯科大学歯学部卒業
●同年 日本歯科大学附属病院にて研修医
●2011年 日本歯科大学附属病院総合診療科入局(防衛省共済組合歯科室に2年間出張)
●2017年 日本歯科大学附属病院退職
●2017年 飯田橋内科歯科クリニック勤務
●2018年 同院院長就任
●2019年 飯田橋内科歯科クリニック退職
医院名:不動前さくら歯科クリニック
所在地: 〒141-0031
東京都品川区西五反田4丁目29-14 2F
熱いもので歯がしみる原因は?
熱いものが歯にしみる原因は、3つあります。
それは、「むし歯」と「知覚過敏」と「歯周病」です。
「それなら、冷たいものがしみるのと同じ原因なの?」と思われるかもしれませんね。
熱いものがしみる場合は、より症状が進行している恐れがあります。
【原因1】むし歯
原因のひとつとして、むし歯が考えられます。
熱いものがしみる場合は、進行したむし歯である可能性が高く、注意が必要です。
早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
むし歯で歯がしみる理由
まずは、むし歯がどのようにできるかをお伝えします。
お口の中に生息しているむし歯菌は、食べものや飲みものに含まれる糖分を摂取し、分解することで酸を出します。
この酸によって歯の表面は溶けてしまうのですが、初期の段階であれば、唾液の「再石灰化」というはたらきで、元の状態に戻すことができます。
唾液には、カルシウムやリン酸が含まれており、これらが歯を修復してくれるのです。
けれども、
・ダラダラ食べなどで飲食物がお口にある時間が長い
・歯磨きが不十分でお口の中に食べかすが残っている
などの理由で再石灰化が追いつかない状態が続くと、大きく歯が溶かされ、歯に穴があいてしまいます。
この状態がむし歯です。
初期段階で治療を行わない場合、むし歯菌は歯の表面にあるエナメル質を溶かしながら、歯の内部にある象牙質まで進行していきます。
象牙質に囲まれた歯の内側には、歯の神経である「歯髄」といわれる神経組織があります。
神経は、さまざまな刺激を脳へ伝えるため、神経に近いところまでむし歯が進行することで、冷たい食べものや飲みものだけではなく、熱いものもしみるようになるのです。
一般的に、冷たいものよりも、熱いものがしみる方が、むし歯が深い傾向にあります。
むし歯で歯がしみるときの対処法
むし歯が原因で熱いものが歯にしみる場合は、むし歯が神経の近くまで進行している可能性があります。
冷たいものがしみるより、さらに感染が神経に近づいているため、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
治療では、神経に近いむし歯のため麻酔を行います。
むし歯に感染した部分を取り除き、被せ物や詰め物で削った歯の穴を埋める治療です。
神経にまでむし歯の感染が広がっていた場合は、汚染された歯の神経を取り除く「根管治療」を行います。
けれども、神経を除去された歯は寿命が短くなる恐れがあるため、当院では、できるだけ神経を残す「歯髄保存治療」も行っています。
他院で「神経を抜きましょう」と言われた方は、一度当院までご相談ください。
神経を残すことが可能かどうか、しっかり検査し診断いたします。
当院では、保険治療で使われる銀歯のほかに、セラミックなどのメタルフリー素材を使用した詰め物もご用意しています。
ご希望の方は、どのようなことでもおたずねください。
【原因2】歯周病
歯周病が原因で歯がしみることもあります。
歯周病とは、歯と歯ぐきの隙間から細菌が侵入し、歯ぐきに炎症を引き起こす感染症です。
進行すると、歯ぐきや歯を支えている骨を溶かし、やがて歯が抜けることもある病気で、日本人が歯を失う一番の原因となっています。
歯周病で歯がしみる理由
歯周病で歯ぐきが下がり、歯の根が露出することでしみたり痛みを感じたりします。
歯ぐきに覆われている象牙質がむき出しになり、直接刺激を受けているのが理由です。
歯周病は、初期の状態では痛みなどはほとんどなく、気づかないうちに症状が進むという特徴があります。
・歯ぐきが赤い
・歯ぐきが赤く腫れている
・歯ぐきがブヨブヨしている
・歯を磨くと出血する
などが歯周病の初期症状です。
熱いものがしみるなどの自覚症状がある場合は、歯周病が進行している可能性があるため、早めに治療しましょう。
歯周病で歯がしみるときの対処法
歯周病は、早めに治療を始めることができると、適切な歯磨き方法をお伝えする「ブラッシング指導」や、お口に蓄積された汚れをキレイに除去する「クリーニング」などで症状がおさまることがあります。
当院では、ご自宅で行っていただく歯磨きなどの「セルフケア」と並行して、これらの歯科の「専門ケア」を行い、歯周病の症状を改善します。
【原因3】知覚過敏
知覚過敏とは、むし歯や歯周病ではないのに、冷たい食べ物や飲み物がしみる症状のことをいいます。
歯ブラシの毛先が触れた時や、風に当たった時にもしみることがありますが、熱いものや甘いものでしみるケースもあります。
知覚過敏で歯がしみる理由
歯の神経は象牙質やエナメル質に覆われているため、通常、しみたり痛んだりすることはありません。
けれども、さまざまな理由で歯ぐきが下がり歯の根が露出すると、知覚過敏を発症してしまうのです。
歯ぐきが下がる理由は、
・加齢
・歯ぎしり
・歯の食いしばり
・歯周病
・強い力での歯磨き
などです。
知覚過敏で歯がしみるときは、すぐにおさまることが多い傾向にあります。
1分以上しみたり痛みを感じたりする場合は、むし歯を疑ってみましょう。
知覚過敏で歯がしみるときの対処法
軽度な知覚過敏なら、再石灰化で自然と治ることもあります。
けれども、熱いものがしみるなど、症状がひどい場合は、露出している歯の根を薬でコーティングしたり、歯科用プラスチックのレジンなどで埋めたりする治療を行うケースもあります。
また、歯ぎしりや歯の食いしばりなどで、歯にダメージを与えているようなら、症状を抑えるマウスピースの使用を提案しますので、お気軽にご相談ください。
歯を強く磨くことで、表面のエナメル質を削ってしまっている可能性がある場合は、歯磨きの方法もアドバイスしています。
不動前さくら歯科クリニックのできるだけ削らないむし歯治療
熱いものがしみる場合、むし歯が進行している可能性があります。
歯は一度削ると、元の状態には戻せません。
むし歯が再発するたびに歯を削っていると、最終的に歯を失うことになりかねません。
当院では、できるだけ削らないむし歯治療を行うことで、患者さんの歯を1本でも多く残せるようこころがけています。
当院のむし歯治療は、患者さんの幅広いご要望におこたえして、複数の選択肢をご提案することが可能です。
事前のカウンセリングで患者さんのご希望をうかがいし、ライフスタイルやご予算などからお一人お一人に合った治療法を選択します。
保険診療のむし歯治療
保険診療で行うむし歯治療は、以下の2つがあります。
「噛む」という歯の機能を優先した治療で、使用できる素材や治療工程に制限があります。
銀色の詰め物・被せ物
日本の保険診療で多く使われてきた「金銀パラジウム合金」を使った治療です。
強度があるため、奥歯の使用に適しています。
けれども、金属がお口の中で錆びて溶け出し体内に入り込むことで、金属アレルギーを発症するケースがあり注意が必要です。
また、経年劣化で詰め物が変形し、歯との隙間から細菌が侵入してむし歯が再発する恐れもあります。
当院では、むし歯の再発率の高い銀歯はできるだけ使用せず、患者さんの将来の健康まで考えた治療を行っています。
レジンの詰め物
保険診療がご希望ではあるものの、金属アレルギーや銀歯が目立ちやすいのが気になる、という方には「コンポジットレジン」がおすすめです。
「コンポジットレジン」は、白い歯科用プラスチックを使用した詰め物です。
白い素材ではあるものの、プラスチックでできているため、時間がたつと変色します。
また、銀歯に比べると強度が弱く、使用できる範囲が限られています。
自由診療のむし歯治療
当院では、さまざまな自由診療の素材もご用意しています。
保険適用外のため、自己負担額が大きくなりがちですが、むし歯の再発リスクが低く、将来的にはコストパフォーマンスがよい素材であるといえます。
無理におすすめすることはありませんが、参考までにご案内していますので、どのようなことでもご質問ください。
オールセラミックの詰め物・被せ物
透明感のある白さを再現できるセラミックを100%使用しています。
表面がツルツルしているため、汚れがつきにくく、むし歯の再発を防ぐ効果が期待できます。
また、変形や変色もほとんどなく、歯科医院でのメンテナンスを行っていれば、美しい白さが長く続きます。
金属をまったく使っていないので、金属アレルギーの心配もありません。
ジルコニアの詰め物・被せ物
ジルコニアは、セラミックの種類の中でも強度と耐久性に優れています。強い力がかかる奥歯に適用が可能です。
オールセラミックに比べると透明度が低いものの、見た目のよさに関しても優れた素材です。
変色が少なく、汚れがつきにくいため、むし歯の再発リスクも低い素材で、金属アレルギーの心配もありません。
ハイブリッドセラミックの詰め物・被せ物
セラミックと歯科用プラスチックのレジンを混ぜ合わせた素材です。
プラスチックが含まれているので、変色することもありますが、オールセラミックと比べて、費用の負担が少なくすみます。
ゴールドの詰め物・被せ物
お口の中で目立ちやすいといった点もありますが、むし歯の再発予防には優れた素材です。
また、金は錆びにくいため、金属アレルギーのリスクも低く、強度も高いので、強い力がかかっても壊れにくいといった特徴もあります。
歯の痛みなどお口の違和感は不動前さくら歯科クリニックにご相談を
もし、熱いもので「歯がしみる」という症状を通り過ぎ、「ズキズキ痛い」という症状があれば、歯の神経がある歯髄にまで感染が進んでいる「歯髄炎」を発症している恐れがあります。
歯の神経までむし歯の感染が広がると、「根管治療」といわれる歯の神経を取り除く治療が必要になります。
根管治療を行うと、歯を抜かないといけないような悪化したむし歯でも、歯を残せる可能性が広がります。
東急目黒線「不動前駅」から徒歩1分、土曜も18時半まで診療している「不動前さくら歯科クリニック」では、できるだけ歯を残す治療を行っており、大切な歯をできるだけ残すよう心がけています。
けれども、「根管治療」は、複雑で難易度の高い治療になるため、治療期間が長く、患者さんの負担も大きくなる傾向があります。
「歯がしみる」といった症状がある方は、今より症状がひどくなる前に当院へご来院ください。