抜く?抜かない?生えて来た親知らずは抜歯したほうがいいですか?
皆さん、こんにちは。
品川区 不動駅前の「不動前さくら歯科クリニック」です。
親知らずが生えてきたら、「抜いたほうがいいのかな?抜かなくていいのかな?」と悩む方もいらっしゃるでしょう。
「親知らずが生えてきたら早めに抜いたほうがいい」というイメージがあるかもしれませんね。
確かに、親知らずは、歯の生えるスペースが不足してしまうなどのトラブルを引き起こすことが多いです。
けれども、親知らずは必ずしも抜かないといけないわけではありません。
場合によっては抜かずに様子をみることもあります。
それでは、どのような親知らずが抜いたほうがよくて、どのような親知らずが抜かずに様子をみるものなのでしょうか。
今回は、親知らずを抜く判断基準と親知らずの抜き方について説明します。
四方田 拓 院長
●2010年 日本歯科大学歯学部卒業
●同年 日本歯科大学附属病院にて研修医
●2011年 日本歯科大学附属病院総合診療科入局(防衛省共済組合歯科室に2年間出張)
●2017年 日本歯科大学附属病院退職
●2017年 飯田橋内科歯科クリニック勤務
●2018年 同院院長就任
●2019年 飯田橋内科歯科クリニック退職
医院名:不動前さくら歯科クリニック
所在地: 〒141-0031
東京都品川区西五反田4丁目29-14 2F
Contents
親知らずは抜歯したほうがいい歯なの?
親知らずは一番奥に生えてくる歯で、正式名称を「第三大臼歯」といいます。
永久歯は15歳前後で生え揃いますが、親知らずは10代後半から20代前半にかけて生えてくることの多い歯です。
一般的に、上下左右に4本ある親知らずですが、生え方には個人差があり、生えてくる人、埋まったまま生えてこない人、そもそも親知らずがない人などさまざまです。
18歳から30歳までの方の親知らずを調査したところ、1本以上親知らずがある方は94.8%でそのうち4本揃っている方は60.7%という結果がありました。
(参照:J-STAGE「第三大臼歯のエックス線学的形成時期の調査と治療介入時期に関する検討」) >
「生えてきたら抜かないといけない」と思われがちな親知らずですが、抜くか抜かないかの判断は「どのように生えてきているのか」を基準としています。
抜くか抜かないかは生え方による
親知らずは生えたり生えなかったりと、人によっていろいろですが、その生え方も多様です。
親知らずは、大きく分けて3つの生え方に分けられ、その生え方によって抜歯を検討します。
まっすぐ生えている
親知らずがまっすぐ生えるのは、トラブルが少なく理想的な生え方です。
けれども、このように生えている方はあまり多くないといわれています。
まっすぐ生えていれば必ずしも抜く必要はないのですが、このように生えている方は少ないため、「親知らずは抜いたほうがいい」というイメージを持たれてしまうのでしょう。
横や斜めに生えている
横や斜めに生えており、歯の一部分が歯ぐきに埋まっている状態です。
歯の一部が歯ぐきから見えている親知らずを「半埋伏智歯(はんまいふくちし)」、横を向いて歯ぐきの中で埋まっている親知らずを「水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)」といい、多くの親知らずはこのような生え方をしています。
横や斜めに生えている親知らずの場合は、ほとんどが抜歯を検討します。
完全に埋まっている
親知らずが完全に歯ぐきに埋まっていることもあります。
埋まった親知らずが、ほかの歯に悪い影響を与えていなければ様子をみることができます。
また、埋まっている親知らずの周りに嚢胞や腫瘍が形成されることがあるので注意が必要です。
隣接する歯や骨にダメージを与える可能性があるため、痛みや腫れ、違和感がある場合は早めに歯科を受診しましょう。
親知らずを抜いた方がよいケース
親知らずは、以下のようなケースの場合、抜歯をおすすめすることがあります。
部分的に歯ぐきに埋まっている
部分的に親知らずが歯ぐきに埋まっていると、歯ぐきがかぶさって歯ブラシの毛先が届かないことから汚れを取り除けず、炎症を引き起こす原因になります。
このように、親知らずのまわりの歯ぐきが炎症を起こすことを「智歯周囲炎」といいます。
親知らずと歯ぐきの間のすき間に細菌が繁殖し、炎症を引き起こすのです。
疲れがたまっているときや寝不足のときなどに痛みが生じることがあり、放置していると、痛みや腫れがひどくなる恐れがあります。
隣の歯を押している
親知らずが他の歯を押してしまい、歯並びに影響を与えることがあります。
また、矯正治療中や治療後に親知らずが生えると歯列を乱すリスクがあるため、矯正治療を行う場合は、特に抜歯を検討します。
むし歯や歯周病のリスクが高い
親知らずはお口の一番奥にあるため、歯が磨きにくい場所になります。
しっかり汚れが落とせないケースが多いことから、むし歯や歯周病のリスクが高くなるため、丁寧なケアが必要です。
むし歯や歯周病が進行している場合は、早めに抜歯されることをおすすめします。
親知らずがかみ合っていない
キレイにまっすぐ生えていても、上下の親知らずが揃わずかみ合っていない場合も抜歯を検討することがあります。
上の親知らずはまっすぐ生えていても、下の親知らずが埋まっていると、上の親知らずが伸びてくることがあるからです。
本来、上下の歯はかみ合うことで適切な位置におさまりますが、かみ合っていないと歯が伸びてくるケースがみられます。
歯ぐきに歯が当たり痛みを生じることもあるので、かみ合う歯がないような親知らずも抜くことをおすすめする場合があります。
親知らずを抜かずに様子をみてもよいケース
それでは、親知らずを抜歯せずに様子をみてもよいのはどのようなケースでしょうか。
まっすぐキレイに生えている
親知らずがまっすぐキレイに生えており、歯磨きなどお口のケアが行き届いている場合は、抜く必要はありません。
ただ、清掃状況が悪くなりがちなので、歯科で定期的にチェックし、プロの手でクリーニングを行うようにしましょう。
完全に埋まっていて悪影響を与えない
完全に埋まっていて、周りに悪い影響を与えていなければ様子をみることができます。
また、嚢胞があっても痛みなどの症状がないまま大きくなることがあるので、「親知らずが生えているかどうかわからない」という方は、レントゲンをとって確認することをおすすめします。
親知らずの抜歯の流れ
親知らずはどのような流れで抜歯するのでしょうか。
問診・検査
まずは、問診を行います。
親知らずに関する症状をお聞かせください。
そのあと、お口の中を診察し、レントゲンや歯科用CTで口内を撮影します。
問診や検査の結果によって、親知らずを「抜く」のか「抜かない」のかを判断し、治療計画をお伝えします。
わからないことがあればどのようなことでもおたずねください。
不動前さくら歯科クリニックの歯科用CTを活用した適切な診断
当院では、通常のレントゲンと歯科用CTを組み合わせてより的確な診断を行っています。
歯科用CTは、画像を3Dで鮮明に撮影できるため、親知らずの抜歯や根管治療、インプラントなどの治療にかかせない機器です。
歯ぐきに埋まってる親知らずがどのような方向に生えているのかといった親知らずの状態から、親知らずの下にある神経との位置関係まで的確に把握することが可能です。
麻酔
抜歯は麻酔をしてから行うため、痛みの心配はありません。
当院の麻酔は「歯科麻酔用電動注射筒」を使って行います。
麻酔液を注入する際の圧力で、一時的に痛みを感じることがありますが、この電動注射筒はできるだけゆっくりと一定の速度で注入するため、痛みを軽減することが可能です。
抜歯
まっすぐに生えている場合は、そのまま歯を抜き取ります。
横や斜めに生えている、半分埋まっている、完全に埋まっているなどの親知らずの場合は、歯ぐきを切開して歯を露出させ、歯を分割してから抜き取っていきます。
抜歯後の処置
抜歯後は、抗生剤や痛み止めの薬を処方しますので、忘れず服用してください。
歯ぐきを切開した場合は、抜歯後1週間ほどで抜糸をします。
親知らずを抜歯したあとの注意点
親知らずを抜歯したあとは、個人差があるものの痛みや腫れがあらわれることがあります。
抜歯後は次のことに注意して、傷口の回復に努めましょう。
運動や入浴を避け安静に過ごす
親知らずを抜歯した当日は、運動や入浴は避けるようにしましょう。
血行がよくなって、出血が止まらなくなる恐れがあります。
できるだけ安静に過ごし、お風呂はシャワーですませるようにしてください。
抜歯した場所を触り過ぎない
抜歯すると、そこが気になって舌や指などでつい触り過ぎてしまうかもしれません。
けれども舌や指で触っていると、細菌が入り込むことがあります。
また、血液が固まってできたかさぶたのような「血餅(けっぺい)」が剥がれ落ち、傷口の回復が遅れる危険性もありますので、あまり触り過ぎないようにしましょう。
やさしくうがいをする
抜歯した場所から出血があるため、うがいをして血を流したくなりますが、血餅が流されるのを防ぐためにも、うがいをするときはやさしくするようにしてください。
お口に負担をかけない食事をとる
抜歯後しばらくはお口に負担をかけるような食事は控えるようにしましょう。
・辛いもの
・強い香辛料を使ったもの
・かたいもの
などは避けるようにしてください。
抜歯をする前に
・おかゆ
・雑炊
・ゼリー
・ヨーグルト
・うどん
などを用意しておくと安心です。
喫煙を控える
たばこは傷口の回復を遅らせる恐れがあります。
タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させるからです。
また、細菌感染のリスクも高まるため、抜歯後の喫煙は控えるようにしましょう。
親知らずが生えてきたら「不動前さくら歯科クリニック」で生え方をチェックしましょう
親知らずの抜歯が必要かどうかは、親知らずの生え方やそれぞれのお口の状況によって異なります。
親知らずがトラブルを引き起こしている場合や、将来的にリスクが高いと判断される場合は、抜歯をおすすめすることがあります。
特に問題がなければ抜歯を見送ることもありますので、親知らずが生えてきたら歯科で生え方のチェックを行いましょう。
東急目黒線「不動前駅」徒歩から1分の歯医者「不動前さくら歯科クリニック」では、お一人お一人とじっくり時間をかけて向き合うことを大切にしています。
歯科用CTなどの先進機器を活用しながら、患者さんに思いやりを持って対応することで、満足度の高い治療を提供しています。
「この親知らずは抜いたほうがいい?」「親知らずが生えているかチェックしてほしい」など、親知らずのお悩みは当院までご相談ください。