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「歯髄保存療法(歯の神経を残す治療)」のメリット・注意点【進行したむし歯の治療】

 
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皆さん、こんにちは。
品川区 不動駅前の「不動前さくら歯科クリニック」です。
 
 
歯医者さんで「歯を抜きましょう」といわれた経験はありませんか?
「神経を取り除きましょう」といわれた方もいらっしゃるでしょう。
 
かつて、むし歯が進行して歯の内部にまで感染が広がると、抜歯するのが一般的でした。
しかし、歯は、一度抜くと、二度と生えてくることはありません。
どんなに優れた治療で補っても、天然の歯にはかなわないのが現状です。
 
いうなれば、歯は一生の宝物
そして、「神経は歯の命」といわれるほど、歯の寿命を左右する重要なものです。
神経を失った歯は、栄養が行き届かずに、やがてポキっと折れてしまうことになりかねません。
 
当院では、神経をできるだけ残す「歯髄(しずい)保存療法」で、患者さんの歯を守る治療を行っています。

四方田 拓 院長
四方田 拓 院長

四方田 拓 院長

●2004年 日本歯科大学歯学部入学
●2010年 日本歯科大学歯学部卒業
●同年 日本歯科大学附属病院にて研修医
●2011年 日本歯科大学附属病院総合診療科入局(防衛省共済組合歯科室に2年間出張)
●2017年 日本歯科大学附属病院退職
●2017年 飯田橋内科歯科クリニック勤務
●2018年 同院院長就任
●2019年 飯田橋内科歯科クリニック退職


医院名:不動前さくら歯科クリニック
所在地: 〒141-0031
東京都品川区西五反田4丁目29-14 2F

 
 

歯の神経「歯髄(しずい)」を保存するとは、どういうこと?


「歯髄保存療法(VPT)」とは、「Vital Pulp Therapy」の略で、生きている神経をできる限り温存する治療です。
歯髄を保存することには、どのような意味があるのでしょうか。
 

歯の神経「歯髄」の役割

歯髄とは、歯の内部にある神経・血管・リンパ管などがある部分です。
歯髄には大きく分けて3つの役割があります。
 
・歯に加わる刺激を感知する
・むし歯から歯を守る
・歯に栄養を届ける
 
歯髄の中にある神経が、噛む感覚や痛み、食べものの温度など、さまざまな刺激を脳の中枢に伝えます。
私たちが毎日おいしく食事ができるのも、神経があるからなのです。
 
痛みを感じることで、むし歯などお口のトラブルの発生に気が付きけますし、痛みなどから、異常を感知した歯髄は、免疫細胞を活性化させることで、歯を守ります。
また、血管を通して栄養素や水分、酸素を歯に供給するのも歯髄の役割です。
外部の象牙質に潤いを与え、噛む力にも耐えられるしなやかで強い歯を作ります
 

歯髄を取り除かなければいけないケース


むし歯は歯の内部に向かって進行します。
歯髄にまで広がると、歯髄が炎症を起こし、激しい痛みを伴います。
何もしていなくてもズキズキと痛み、歯ぐきや頬が腫れることも。
そのまま放置していると、感染は根元にまで広がり、最終的に歯を失うことにつながります。
 
むし歯の進行を止めて、痛みを取り除くためには、むし歯に感染した神経を取り除く必要があります。
大切なことは、感染している部分だけにとどめて、必要以上に取り除かないことなのです。
 

歯髄を抜くと、どうなる?

歯髄を抜いた歯は「無髄歯」とよばれ、「死んだ歯」と表現されることもあります。
神経がないことが原因で、さまざまなトラブルを引き起こす恐れがあります。
 
・歯が割れやすくなる
・歯が変色する恐れがある
・むし歯の再発に気が付きにくい
 
歯に栄養が行きわたらなくなることで、歯はどんどん脆くなります。
ちょっとした衝撃で割れたり欠けたりする恐れも。
 
また、新陳代謝がストップしてしまうので、行き場を失ったたんぱく質などの古い組織が、変色して黒ずみになります。
 
さらに、詰め物や被せ物の下で、むし歯が再発しても痛みや異常を感知できずに、発見が遅れて重症化するリスクがあるのです。
 
 

重度のむし歯でも歯を残す!【歯髄保存療法】とは


歯髄保存療法は、歯の神経をすべて取り除くのではなく、感染した部分だけにとどめて、生きている神経を残す治療です。
 
歯の根の治療である「根管治療」と混同されることがよくありますが、根管治療では、基本的に、神経をすべて取り除きます。
生きている部分を取らずに残すかどうかが「根管治療」と「歯髄保存療法」の違いです。
 
感染している位置や範囲によって、「部分断髄」「歯頚部断髄」といった方法があります。
進行の状態によっては、根管治療を行うケースもあります。
 

【歯髄保存療法】の進め方

一般的な、歯髄保存療法の治療の流れについて説明します。
 

1.カウンセリング

丁寧なカウンセリングで、現在のお悩みや治療に対するご要望をおうかがいします。
 

2.検査

歯科用CTなどの先進機器を活用して、歯の内部までしっかりと把握します。
 

3.説明

治療計画を作成し、ご説明します。
治療にかかる期間や費用など、具体的に提示しますので、ご納得いただいてから治療を始めます。
 

4.治療

マイクロスコープで患部を拡大しながら、しっかりと目で見て処置を行います。
ラバーダムを使用して、細心の注意を払いながら、むし歯に感染した部分を除去します。
MTAセメントでふさぎ、その上に詰め物や被せ物を装着して、しっかり噛めるように整えれば治療終了です。
 

5.フォローアップ

治療後も定期検診に通って、「詰め物や被せ物の異常がないか」や「お口の中が清潔に保たれているか」などの、チェックを受けましょう。
 

【歯髄保存療法】のメリット


歯髄保存療法は、次のような方には、特におすすめできる治療です。
 
・ご自身の歯を残したい
神経を温存したい
・できるだけ歯を削りたくない
 
生きた神経を残すことで、歯の寿命が延びます。
神経をすべて抜く根管治療と比べて、削る量を抑えることができるので、歯そのものに与えるダメージが最小限にとどめられます。
 
治療後は、「生きている歯」として健康な状態を維持することが可能です。
歯髄保存療法は歯を失わないために神経を残す治療です。
歯を失うと、人工歯で補う必要がありますが、見た目でも機能面でも、天然の歯にかなうものはありません。
 
また、歯を失ったまま放置していると、あいたスペースに隣の歯が倒れこんできたり、かみ合う歯が伸びてきたりして、歯並びが乱れます。
その結果、まわりの健康だった歯までも不健康になり、他の歯まで失うリスクが高まります。
 

【歯髄保存療法】の注意点

歯を守るための歯髄保存療法ですが、進行状態によっては行えない場合があります。
むし歯が歯の根元まで進んでいると、歯髄を残せる確率は低下します。
そうならないためにも、できるだけ早く発見することが大切です。
 
また、歯髄保存療法は保険が適用されません
そのため、治療にかかる費用の負担が大きくなります。
さらに、治療を成功させるためには、しっかりと時間をかけて丁寧に行う必要があり、必然的に治療時間が長くなります。
 
それでも、神経を残すことには大きな意味があり、お口全体の健康を考えると、長期的にみてコストパフォーマンスがよい治療といえるのではないでしょうか。
 
▼当院の歯内療法について詳しくはこちら▼
歯の保存療法の専門家による治療で失うと二度と再生しない大切な歯を守ります
 
 

治療の精度を高める設備

歯髄保存療法は高度な技術力が必要な治療です。
残念ながら、どこの歯科医院でも行えるわけではありません。
豊富な知識や経験はもちろんですが、どのような器具を使って、適切な診断・治療をするかも、治療の成功を左右するポイントです。
 
当院で導入している設備の一部をご紹介します。
 

歯科用CT


お口全体を撮影し、立体画像として保存・データ化します。
むし歯の位置や大きさ、骨や血管の位置もしっかりと確認します。
的確な診断や治療計画の作成に必要な医療機器です。
 

ラバーダム


ゴム製のシートで治療する部分以外を覆って、患部に唾液が流れてくるのを防ぎます。
唾液に含まれている細菌が、患部に侵入すると、再感染を起こす確率が高くなります。
日本では、ラバーダムを導入して治療をする歯科医院の割合は、そこまで高くありません。
 
ラバーダムには時間と手間がかかるのが理由のひとつですが、その手間が治療の成功を左右するため、歯髄保存療法はラバーダムを使用している歯科医院を選ぶのが安心です。
 

マイクロスコープ

国内ではまだ導入率の低い、歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を導入しています。
マイクロスコープは患部を明るく照らしながら、肉眼の最大20倍に拡大します。
 
しっかりと目で見て治療を行えるので、治療の精度が高まり、再治療のリスクを大幅に減らすことが可能です。
 

歯髄電気診断機器

歯髄の状態を診断するときに使用します。
微弱な電流を流して、歯髄が生きているか死んでいるかを確認します。
 

MTAセメント

感染した神経を取り除いた後に、MTAセメントで封をします。
保険が適用されない素材ですが、封鎖性が高く、菌の再侵入を防ぎます。
 
また、殺菌力が高いのも特徴です。
さらに、生体親和性が高く、お口の中で長期的に安定してお使いいただけます。
象牙質の形成を促し、歯を強くする効果も期待できます。
 
 
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設備紹介
 
 

不動前さくら歯科クリニックの取り組み

不動前さくら歯科クリニックでは、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、さまざまな工夫をしています。
歯髄保存療法は精密さが求められる治療だからこそ、信頼できる歯科医院で行いましょう。
 

日本歯科保存学会認定医による治療


当院の院長は、日本歯科保存学会認定医です。
認定医になるためには、日本歯科保存学会が定めるさまざまな厳しい条件をクリアして、試験に合格する必要があります。
 
また、合格後も、5年ごとに更新をする必要がある資格で、知識や技術がアップデートされていることの証ともいえます。
 
歯髄は非常に狭く小さな組織で、治療には豊富な知識と高度な技術力、そして経験が必要です。
だからこそ、「歯髄保存療法の専門家」にまかせるのが安心です。
 

メンテナンスにも力を入れています


むし歯治療は、感染した部分を削って、今ある痛みを取り除けば終わりではありません。
10年先、20年先を考えて、できるだけ歯を健康な状態で残すことが大切です。
治療後は、再発させないためにも、定期検診に通い、お口を清潔に保つ必要があります。
 
不動前さくら歯科クリニックでは、治療後のメンテナンスや予防ケアに力を入れています。
 
いつまでも快活な日々を過ごしていただくためには、ご自身の歯を1本でも多く残す必要があります。
大切なものだからこそ、抜くのはあくまで最終手段として、できるだけ「抜かずに残す」ことを最優先に考えるのが当院の治療方針です。
 
いつまでも笑顔で過ごせるように、治療が必要のないお口を一緒に作りましょう。
 
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歯髄保存療法(歯の神経を残す治療)
 
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