再発や再治療を防ぐ「精密根管治療」とは?一般的な根管治療とどう違うの?
皆さん、こんにちは。
品川区 不動駅前の「不動前さくら歯科クリニック」です。
むし歯が進行し、歯根部分まで感染が広がり炎症を起こすと非常に強い痛みが生じます。
ここまでむし歯が悪化すると、「根管治療」が必要になります。
根管治療とは、根管内の感染した患部を除去する治療で、非常に高い技術が求められる専門性の高い治療です。
初めての根管治療で80%、再治療の根管治療では56%にも下がるという調査結果もあるのです。
参照:J-STAGE 日本歯内療法学会雑誌24「抜髄時および感染根管治療時に施される根管貼薬剤、仮封剤と治療回数についての歯科開業医アンケート調査」p78 >
当院では、大切な歯を抜かずに残し、その寿命を延ばすための「精密根管治療」を行っています。
今回は、「精密根管治療」の特徴や一般的な根管治療との違いについて解説します。

四方田 拓 院長
●2004年 日本歯科大学歯学部入学●2010年 日本歯科大学歯学部卒業
●同年 日本歯科大学附属病院にて研修医
●2011年 日本歯科大学附属病院総合診療科入局(防衛省共済組合歯科室に2年間出張)
●2017年 日本歯科大学附属病院退職
●2017年 飯田橋内科歯科クリニック勤務
●2018年 同院院長就任
●2019年 飯田橋内科歯科クリニック退職
医院名:不動前さくら歯科クリニック
所在地: 〒141-0031
東京都品川区西五反田4丁目29-14 2F
Contents
「精密根管治療」は高度な技術と設備を駆使して行う治療法
当院が行っている「精密根管治療」とは、通常の根管治療よりもさらに高度な技術と設備を用いて、歯を可能な限り保存するための治療です。
肉眼の最大20倍拡大し、患部を実際に目視できる「マイクロスコープ」や、3Dの立体画像で撮影できる「CTスキャン」などの高度な設備を駆使しています。
再感染のリスクを低減させ、歯を長期間にわたり健康に保つことをめざしています。
当院の精密根管治療の特徴
それでは、当院が行っている精密根管治療の特徴を説明します。
【特徴1】高度な技術と設備
当院では、高度な歯科医療技術と設備を駆使して、精密かつ専門的な治療を提供してい
ます。
歯科用CT
根管内部の複雑な構造や感染の広がりを把握するために、「歯科用CT」で3D画像を撮影し、詳細な事前診断を行います。
これにより、根管の形状や治療が難しい部分を把握でき、適切な治療計画を立ててから治療に入ることが可能です。
歯科用CTを使うことで、以下のようなメリットを得ることができます。
・根管の形状を的確に把握できる
・根管の位置や数を確認できる
・感染がどれくらい広がっているかを調べられる
・精密な治療計画を立案できる
・より安全性の高い治療を提供できる
マイクロスコープ
根管は歯の根の内部にあり、その形状は非常に細く、湾曲していることが多いため、目で内部を確認するのが困難です。
特に、奥歯の根管は、通常根管の数が複数存在し、しかも枝分かれして複雑な形状をしているため、目で見るだけでは根管全体を把握することができません。
そこで、精密根管治療では、肉眼の最大20倍拡大できる「マイクロスコープ」を使用することで、目では見えない部分までしっかりと治療を行います。
マイクロスコープの視覚的なサポートにより、より適切な診断と治療が可能になるのです。
【特徴2】先進的な器具と材料の使用
先進的な器具や材料を使用することで、感染の再発を防ぎ、治療の成功率を高めることが可能です。
根管治療では、根管内の汚染された神経や細菌などを取り除くために「ファイル」という器具を使用します。
ファイルには、「ステンレスファイル」と「ニッケルチタンファイル」があり、当院では「ニッケルチタンファイル」を使用しています。
柔軟性があるため、複雑に曲がった根管や細かい部分にも適応しやすいのが特徴です。
また、ニッケルチタンファイルには、曲げたりねじったりしても形が戻る「形状記憶効果」があります。
そのため、曲がりくねった根管でもスムーズに治療できるだけでなく、繰り返し使用しても金属疲労による破損が少なく、安定して根管の治療ができるのです。
「一般的な根管治療」と「精密根管治療」の違い
ここで、「一般的な根管治療」と当院が行っている「精密根管治療」の違いについて説明します。
診断方法
的確な治療方法をご提案するために、丁寧に検査を行い診断します。
・一般的な根管治療
レントゲン写真を撮影しますが、平面的な情報しか得られないため、根管内の立体的な形状を把握することは困難です。
・精密根管治療
歯科用CTで3Dの立体画像を撮影するので、根管の形状をしっかり把握できます。
患部の確認方法
患部を確認する方法も、一般的な根管治療と精密根管治療では違いがあります。
・一般的な根管治療
目で見て行うため、根管全体を確認するのは難しいでしょう。
・精密根管治療
マイクロスコープを活用し、肉眼の最大20倍まで拡大して、しっかり見ながら患部を確認できます。
治療中の患部の保護方法
唾液に含まれている細菌が患部に侵入すると、再感染を起こすリスクが高くなるため、さまざまな方法で患部を保護します。
・一般的な根管治療
一般的な根管治療では、歯の周りにコットンを配置してお口の中の水分を吸収したり、吸引装置で唾液を吸い取ったりして、患部を乾燥させた状態に保つように配慮します。
・精密根管治療
精密根管治療では、「ラバーダム防湿」を用いて無菌的環境での治療が行えるよう努めています。
ラバーダムは、患者さんの歯に装着し、治療する歯だけを露出させるゴム製のシートです。
これにより、唾液や水分に含まれる細菌が根管に入るのを防ぐことが可能です。
根管治療で大切なことの一つに「新たに根管内に細菌を侵入させないこと」というものがあります。
そのためにも、ラバーダム防湿の使用は非常に大切なのですが、日本では「ラバーダムを必ず使用する」という歯科医院は全体の約5%というのが現状です。
参照:J-STAGE 日本歯内療法学会雑誌 32「わが国における歯内療法の現状と課題」p2 >
感染源を除去する器具
感染源を除去するために使用されるのが、「ファイル」といわれる器具です。
・一般的な根管治療
ステンレスファイルを使用します。
硬くて曲がりにくいという特徴があり、まっすぐな根管や大きな根管の治療には適していますが、曲がりくねった根管に対しては使いにくいことがあります。
・精密根管治療
ニッケルチタンファイルを使用しています。
非常に柔軟性が高く、曲がった根管や狭い部分でもスムーズに治療を進めることが可能です。
根管の形状に沿って柔軟に適応しやすい特徴があります。
治療後の患部の封鎖方法
感染した神経や血管を除去し、根管内を清掃・消毒した後、患部に細菌が入り込まないようにしっかり封鎖します。
・一般的な根管治療
根管内に充填剤を高圧で押し込み、すき間なく密封する「加圧充填(かあつじゅうてん)」という方法が行われます。
これによって、根管の細かな分岐にも充填剤が行き渡り、細菌が侵入しにくい状態を作るのです。
ただ、過度の圧力が加わると、歯根に過剰な負担がかかり、歯根が割れやすくなることがあるので注意が必要です。
特に、弱っている歯根や、治療を繰り返しているような歯に過剰な圧力がかかると、歯根破折のリスクが高まる可能性があります。
・精密根管治療
当院では、根管内における充填材の密封性を高め、治療の成功率を向上させるために「マッチドコーンテクニック」といわれる加圧充填方法を行っています。
これは、根管の長さや形に合ったサイズの充填剤を選び、根管内にぴったりとフィットさせることで、すき間をできるだけなくし、感染リスクを減少させる方法です。
歯根破折のリスクが少なく、高い密封性を実現する優れた方法です。
歯の土台
根管治療後に使用される「歯の土台」とは、治療後の歯を支えるために装着されるもので、一般的に「コア」といわれます。
感染物質を除去して清掃された根管内に充填材を入れたあと、その上に土台を設けることで、歯の強度を回復し、最終的な被せ物を安定して装着できるようにするのです。
・一般的な根管治療
材料は、金属ポストやプラスチック材料です。
金属の場合、強度は高いですが、天然歯に比べて硬いため、負荷がかかりすぎて歯根が割れるリスクがあります。
・精密根管治療
ガラスファイバーなどで作られた「ファイバーコア」を使用します。
歯に近い弾力性があるため、自然なかみ合わせに適しています。
審美性が高く、金属アレルギーのリスクもありません。
治療後の被せ物
被せ物は、根管治療が完全に終わり、歯の内部が清潔で安定した状態になってから装着され、歯の機能や見た目を回復させます。
・一般的な根管治療
一般的な根管治療では、銀歯やプラスチックの被せ物が使用されることが多いです。
これらの材料は、時間の経過とともに変形しやすく、被せ物と歯のすき間から細菌が侵入するリスクがあるため、定期的なメンテナンスが重要です。
また、銀歯は目立ちやすい場所に使用する際に見た目が気になる方もいらっしゃいます。
プラスチックは水分を吸収しやすく、変色することがあります。
・精密根管治療
治療の精度が高まるため、被せ物に使用する素材としてセラミックが選ばれることが多いです。
セラミックは、天然の歯のような自然な見た目を再現でき、表面が滑らかで細菌が付着しにくいという特徴があります。
また、歯に密着しやすく、被せ物と歯のすき間からの細菌の侵入を防ぎ、むし歯の再発リスクを軽減するため、長期的な耐久性が求められる場合に適しています。
精密根管治療のメリット
精密根管治療を行うことで、次のようなメリットが得られます。
再治療の必要性の低減
精密な治療により、成功率が高まります。
むし歯の再発リスクを軽減できるので、再治療が必要になる可能性が低くなり、長期的に健康な歯を保つことが可能になります。
患者さんの負担軽減
根管治療の再発を予防できるので、何度も治療を受ける必要がなくなります。
精密根管治療は、一般的な根管治療と比べると一時的に費用はかかります。
けれども、むし歯を再発して何度も通院を繰り返したり、歯を失ったりするよりは、肉体的や精神的、さらには費用負担も軽減できる可能性があるのです。
悪化したむし歯にお悩みの方は「不動前さくら歯科クリニック」へご相談ください
一般的な根管治療では、感染部分の完全除去が難しい場合があり、再発するリスクが低くはないのが現状です。
東急目黒線「不動前駅」徒歩から1分の歯医者「不動前さくら歯科クリニック」の精密根管治療は、再発や再治療を防ぐために高度な技術と設備を活用した治療法です。
当院では、先進的な機器を活用してしっかり検査を行い、患者さんお一人お一人に適した治療をご提供しています。
ご自身の歯をできるだけ残し、いつまでも食事を楽しむためにも、悪化したむし歯にお悩みの方はお気軽にご相談ください。