心臓病や脳梗塞はお口から始まる?歯周病が全身の健康に与える影響

皆さん、こんにちは。
品川区 不動前駅の【不動前さくら歯科クリニック】です。
歯周病は歯ぐきの腫れや出血から始まる病気で、多くの成人がかかっているといわれています。
放置すれば歯を失う原因になりますが、問題はそれだけにとどまりません。
近年の研究では、歯周病が、
・心臓病
・脳梗塞
・糖尿病
・誤嚥(ごえん)性肺炎
・認知症
・骨粗しょう症
・早産、低出生体重児の出産
・肥満、メタボリックシンドローム など
身体全体に関わる病気や症状と関連していることがあきらかになっています。
つまり「お口の健康を守ることは、身体全体の健康を守ること」につながるのです。
今回は、歯周病と全身疾患の関係について、身体の部位ごとにわかりやすく解説します。
四方田 拓 院長
●2004年 日本歯科大学歯学部入学●2010年 日本歯科大学歯学部卒業
●同年 日本歯科大学附属病院にて研修医
●2011年 日本歯科大学附属病院総合診療科入局(防衛省共済組合歯科室に2年間出張)
●2017年 日本歯科大学附属病院退職
●2017年 飯田橋内科歯科クリニック勤務
●2018年 同院院長就任
●2019年 飯田橋内科歯科クリニック退職
医院名:不動前さくら歯科クリニック
所在地: 〒141-0031
東京都品川区西五反田4丁目29-14 2F
Contents
歯周病は心臓病や脳梗塞のリスクを高める可能性がある

歯周病の炎症や細菌が血管を通じて全身に広がり、心臓や脳の重大な病気のリスクを高めることが、多くの研究によってあきらかになっています。
ここでは、身体の各部位ごとに、歯周病とどのように関連するのかについて紹介します。
心臓:狭心症・心筋梗塞
歯周病が進行すると、歯ぐきの炎症部分にできた傷を通じ、細菌や炎症性物質が血流に入り込みます。
これらは血管内で炎症を引き起こし、血管壁を傷つけます。
その結果、動脈硬化が進行し、血管が狭くなったり血栓ができやすくなったりするのです。
動脈硬化は狭心症や心筋梗塞の直接的な原因であり、歯周病が心疾患に関与するメカニズムです。
動脈硬化を起こした血管内から歯周病菌が検出された例もあり、お口の中の炎症が全身に波及する可能性があります。
歯周病予防は、歯だけでなく、心臓の健康を守るためにも欠かせないのです。
脳:脳梗塞・認知症

歯周病による慢性的な炎症は脳の血管にも影響し、血栓を形成しやすくするため脳梗塞を発症するリスクを高めます。
また、九州大学で行われた研究によれば、歯周病菌の一つ「ジンジバリス(Pg菌)」をマウスに投与しつづけると、脳外で産生されたアルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβを脳内に取り込んで増やし、記憶障害を誘発することが報告されています。
急性疾患の脳梗塞だけでなく、認知症のような長期的に進行する病気にまで影響を与えることから、研究者は「アルツハイマー型認知症の予防には口腔ケアがとても重要である」ということを伝えています。
歯周病の予防は、脳の健康を守るためにも欠かせないのです。
参照:九州大学PRESS RELEASE「歯周病菌がアルツハイマー病発症に関与」>
血管:動脈硬化

血管は全身に酸素と栄養を届ける重要な役割を担っています。
ところが、歯周病の炎症はサイトカインの分泌を増やし、血管内皮を傷つけます。
その結果、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクがさらに高まるのです。
歯周炎の患者さんは、動脈硬化から冠動脈疾患を発症するリスクが健康な人よりも1.59倍高いという研究結果もあります。
血管年齢の若さを保つためにも、歯周病予防は不可欠です。
歯ぐきの健康を守ることが全身の血管の健康維持につながるのです。
参照:J-STAGE|日本歯周病学会会誌66巻(2024)2号「ミニレビュー 歯周炎と動脈硬化性疾患の関連:最近の知見」>
肺:誤嚥性肺炎

シニア世代に多い誤嚥性肺炎は、食べものや唾液が誤って気管に入り、その際に肺に細菌が侵入して炎症を起こす病気です。
歯周病があるとお口の中に細菌が大量に存在するため、誤嚥したときに肺炎を引き起こすリスクが格段に高まります。
特に、要介護の方の場合、誤嚥性肺炎が亡くなる原因の上位を占めていることから、「誤嚥性肺炎予防には口腔ケアが有効」であることが強調されています。
毎日の歯磨きに加え、歯科医院での専門的なクリーニングを受けることは、肺を守るためにも不可欠といえるでしょう。
命にも関わる誤嚥性肺炎を、適切な口腔ケアで予防しましょう。
すい臓:糖尿病

歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼす関係であることが知られています。
歯周病の炎症によって産生されるサイトカインは、すい臓から分泌されるホルモン「インスリン」の働きを阻害し、血糖コントロールを悪化させます。
その結果、糖尿病の進行を助長するのです。
一方、糖尿病をお持ちの方は免疫機能が低下し、感染症にかかりやすいため歯周病が悪化しやすい傾向があります。
唾液の分泌量が低下することで、お口の中の歯周病菌が増えやすくなるのも一因です。
歯周病と糖尿病は、両者の相互関係があきらかにされており、双方の治療を行うことで、お口と全身の健康状態の改善に役立つことがわかっています。
参照:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連」>
子宮:早産・低出生体重児の出産

妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく、歯周病が悪化しやすい時期です。
特に、歯周病菌が産生する炎症性物質が子宮の収縮を誘発させることがわかっていて、早産や低出生体重児のリスクを高める作用があるのです。
妊婦さんに重度の歯周病がある場合、早産のリスクが約2倍、低出生体重児を出産するリスクが2.2倍高まるという研究結果もあります。
妊娠期は、つわりなどで口腔ケアが不十分になりやすく、炎症が進行しやすい時期でもあることから、母子ともに健康を守るためには妊娠中のお口の衛生管理が欠かせません。
妊婦健診の際に、歯科受診を勧める自治体も増えています。
参照:厚生労働省「妊産婦における口腔健康管理の重要性」p5>
おなか:肥満・メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積に加え、高血圧・高血糖・脂質異常が重なることで、心筋梗塞や脳卒中の危険性を高める状態です。
歯周病にかかると、歯ぐきに起こった炎症が産出した毒性物質が血流に送り込まれ、インスリンの働きを妨げて血糖値を上げる要因となります。
また、歯周病が重症化して血中の炎症マーカーが増える(体内の炎症や組織破壊の程度が高くなる)ことで、動脈硬化や心血管疾患のリスクと密接に関連しています。
近年では、歯周病の慢性的な炎症が老化や生活習慣病のリスクを高める可能性も指摘されており、歯周病と肥満・メタボリックシンドロームの関わりが注目されているのです。
骨:骨粗しょう症

骨粗しょう症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気で、日本では、およそ1590万人がかかっているといわれており、その多くは閉経後の女性です。
閉経に伴う女性ホルモン「エストロゲン」の減少によって、全身の骨をもろくするだけでなく、歯を支える歯槽骨にも影響を及ぼし、歯周病の進行を早める要因となります。
特に骨代謝に関わるエストロゲン低下により、歯周病にかかりやすい状態にあると考えられるのです。
また、骨粗しょう症と歯の喪失の関連を示す研究も多く、歯周病との深い関係があきらかになっています。
歯がグラグラと揺れているからといって自己判断で抜くことは避け、必ず歯科医師の診断を受けることが大切です。
歯周病予防は全身の健康を守る第一歩です
歯周病を防ぐことは、お口の健康だけでなく全身の病気を予防するためにも重要です。
毎日のセルフケア

歯周病予防の第一歩は、毎日の丁寧なセルフケアです。
基本のケア方法
▪歯と歯ぐきの境目を意識して磨く
▪フロスや歯間ブラシを使う
▪舌の表面も軽く清掃する
▪歯ブラシは1ヶ月ごとに交換する
歯ブラシだけで落とせる汚れは約6割程度といわれています。
歯と歯の間や歯ぐきの境目に残った歯垢は、フロスや歯間ブラシでしか除去できません。
1日1回以上は、フロスや歯間ブラシを併用してしっかり汚れを落とすようにしましょう。
歯ブラシは使い続けると毛先が開き清掃力が低下するため、1ヶ月を目安に交換しましょう。
毎日の歯磨き習慣を少し工夫するだけで、歯周病リスクを大きく減らすことができます。
参照:神奈川県|今日から始めるすき間ケア~毎日のむし歯・歯周病対策~ >
定期的な歯科検診

歯周病は自覚症状が少なく、気づかないうちに進行します。
定期的に歯科クリニックで検診を受けましょう。
検診で行うこと
▪歯ぐきや歯と歯ぐきの間の溝「歯周ポケット」のチェック
▪専門的な機器を使用したクリーニング
▪正しい歯磨き方法の指導
歯科医院での検診では、歯ぐきの腫れや出血の有無、歯周ポケットの深さなどを測定し、進行の有無を確認します。
また、硬くなった歯石や粘着力の強いバイオフィルムは家庭でのケアでは取り除けないため、歯科クリニックでの専門的なクリーニングが必要です。
歯科衛生士によるブラッシング指導を受けることで、自己流では見落としがちな磨き残しやすいポイントに気づけます。
定期的に通院することで、歯周病の早期発見・早期治療が可能になりますので、ぜひ継続するようにしましょう。
生活習慣の改善

毎日の生活習慣も歯周病予防に直結します。
見直したい習慣
▪バランスの取れた食事
▪十分な睡眠
▪禁煙
食生活の乱れは歯周病を悪化させる要因の一つです。
野菜やタンパク質、カルシウムをしっかり摂ることで、歯や歯ぐきの健康を保つことができます。
睡眠不足は免疫機能を低下させ、感染症としての歯周病を進行させやすくします。
また、喫煙は血流を悪化させ、歯ぐきに酸素や栄養が届きにくくなるため、歯周病の最大のリスク因子の一つとされているので、できる限り禁煙しましょう。
生活習慣を整えることは、歯周病だけでなく心臓病や糖尿病など全身の疾患予防にもつながります。
健康を守るために「歯周病予防」は不動前さくら歯科クリニックへご相談ください

歯周病はお口だけの問題ではなく、心臓病や脳梗塞、糖尿病、認知症、骨粗しょう症など全身の病気とも関連しています。
歯科医院では、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さを丁寧にチェックし、必要に応じて適切な処置を受けられるため、歯周病の重症化を防ぎ、全身の病気のリスクを下げることができるのです。
「まだ大丈夫」と思っていても、気づかないうちに歯周病は進行していることがあります。
特に異常がないうちから予防のために定期検診を受けることが大切です。
また、歯ぐきからの出血や口臭、歯のぐらつきといった小さなサインを感じたら、早めに歯科を受診しましょう。
品川区 不動駅前の【不動前さくら歯科クリニック】は、東急目黒線「不動前駅」徒歩1分のアクセスしやすい歯科クリニックです。
定期的な通院を習慣にすることで、ご自身とご家族の健康寿命を延ばす第一歩を踏み出しましょう。





